養生ブログ by食医の卵

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テーマ:健康管理 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

『正しく知る糖質制限食』②

続きです。

前回著者の主張を書きましたので、今回は私がこの本から学んで主張したいことを中心に記したいと思います。


・ケトン体について

ケトン体について学んだことです。
糖尿病治療において、ケトン体の発生は悪とされてきました。
ポイントは“細胞が飢餓状態かどうか”ということのようです。従来のケトアシドーシスになるのは細胞が飢餓状態(=エネルギー代謝に異常をきたしている)、糖質制限はケトン体が積極的に利用され細胞は飢餓ではない(=代謝は正常。経路が違うだけ。)。断食も同じですね。
ただし、ケトン体の安全性は別です!!


・食欲について
糖質を制限すると、食欲に関するホルモンを介して、食欲が減るそうです。このため、脂質の摂取をフリーにしても実際はそれほど摂取エネルギーは増えず、むしろ減る(人が多い)そうです。


・縄文人の食事について
これまでの糖質制限論者は、縄文時代は糖質を食べていなかった、人の食性は骨髄だとの主張が多いですが、実際はそうでは無かったようです。以前もドングリピットを紹介しましたね。


・体重について
メタボという言葉が認知されるようになり、太っていることは悪のようになりましたが、これもここにきて大きな転換点が来ております。痩せている方がリスクが高いことが確実になってきました。こと高齢者に関しては小太りでも問題ありません。来年度から運用される食事摂取基準2015も高齢者の痩せ防止に舵を切っております。


・ローカーボ食が上手くいく人とそうでない人について
このようなことが載っているのがいいですね。
上手くいく人の中に、“飲酒習慣のある人”という方があります。厳しい糖質制限に賛同し糖質ゼロが正しいと信じて疑わない人の多くはこのタイプではないかと思います。以前から続けられる人は男性の方が多いと思っていたのもこれが理由です。実証タイプ、猛烈サラリーマンタイプです。スイーツは油脂が多いものの糖質を必ず含んでいるので、酒もたばこもない女性に継続は厳しいと思っていました。著者らは男女差の考察はしておりません。
また、別の項ではありますが、ローカーボ食はお金がかかることがしっかりかかれております。大事なことですね。


・死亡リスクについて
死亡リスクを上げる因子として動物性たんぱく質が挙げられております。なかでも赤肉とその加工食品(ハム・ソーセージなど)が明確に書かれております。一方、植物性脂質・植物性タンパク質は問題ないとされております。
アニマルプロテインを避けた方がいいという伝統食の教えが科学的に立証されるときが来そうです。そうするとまさにドイツ由来の栄養学の大転換が起こるかもしれないと、本の主旨とは別の方向へ頭が進んでしまいました(笑)



以上、手にとって自分の目で確かめて頂きたいと思います。


<キーワード>
動物性蛋白質 脂質 お金

<関連文献>
『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』(講談社) 『縄文人になる! 縄文式生活技術教本』(山と渓谷社) 『ケトン食の基礎から実践まで―ケトン食に関わるすべての方へ』(診断と治療社)






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『正しく知る糖質制限食』

No.131
編著 NPO法人日本ローカーボ食研究会→→“ホームページ”


2014年5月に読みました。
2014年度で一番印象に残る本になる気がしています。また、この本が普及することによって、2010年から私も注視していた糖質制限食論争が終わっていくと思います。そのくらい良い本でした。

伝えたいことが多いので2回に分けたいと思います。

なおこの本は、一般向けの本として書かれておりますが、論文の引用をはじめ、医療関係者のための学術書としても十分な内容となっております。私自身読んでとても納得できました。


まず、私が非常に大切だと感じていることを書きます。

著者らは、「死亡の危険が減るかどうか」ということを最優先の評価基準としております。
“No.59”で、 「糖尿病治療のエンドポイントは健康寿命の延長です。」という言葉を引用しましたように、糖尿病治療は血糖コントロールが全てではありません。この部分を読んだ時、これまでの糖質制限推奨論者とは違うと感じましたね。


<著者らの主張>

1.糖質制限食で体重・中性脂肪・血糖値が下がりHDL-Cが上がる。

2.糖質制限食は1CARD程度がよい。

3.過度の糖質制限食は死亡危険度等を上げる。



<補足・解説等>

1.については、従来の糖質制限食と同じなので省きます。


2.を理解するために、著者らの推奨するローカーボ食について説明します。

著者らは2通りの方法でローカーボ食[CARD(low-carbohydrate diet)]を採用しているとのことです。

①毎日の3食の食事のうちの糖質をできる限り抜く方法。 (1食制限=1CARDと表現されています)
②毎食、少しずつの炭水化物の摂取量を減らす方法。

①は「3CARD」が最も厳しく、これがこれまでの糖質制限論者の勧めていた食事に近いものとなります。
しかし著者らは3CARDではなく、1CARDを勧めており、厳しい制限は重度の糖尿病患者さんに対してのみ、それも短期間行うこととしております。さらに、症状(ヘモグロビンA1c)が改善したら制限を緩めていくという方針です。

また、糖質の替わりに脂質を摂るということをはっきり主張しております。糖質食べなきゃ他は何でもOKという訳ではありません。

いかがでしょうか?推奨する食事も方針も穏やかですよね!
ただしその理由は、患者の実施可能性などではなく、3.によるものです。

3.に関しては漸くエビデンスが揃ってきたと言えるのかもしれません。
実は治療法の後にエビデンスが揃うというのは大変稀なケースです。まぁ当然ですよね。

薬の研究でも何でもまず、細胞やマウスなど人間以外で試してみてから(基礎研究)、人間で恐る恐る試し(臨床研究)、問題なさそうならその治療法採用や薬の認可となります。それでも後になって危険性がわかったりするものもあります(薬害の歴史)。

著者らのホームページにも書いてありましたが、この食事法は基礎研究の報告が極めて少なく臨床報告がほとんどだということです。これが民間療法として広まっていったことを物語っています。
悲しい歴史の被害者が増えないでほしいと強く望みます。


(続く)


<キーワード>
糖質制限 死亡 血糖値 体重

<関連文献>
『米と糖尿病』  『本当は怖い「糖質制限」』(祥伝社) 『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』(光文社)








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『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』

No.130
著者 村上春樹 河合隼雄


2014年4月に読みました。
この本は、著者らの対談をまとめたものです。対談は1995年11月に行われました。著者らの紹介は必要ないと思いますが、村上氏は作家、河合氏は日本の心理学の大家です。

対談形式の本は大変読みやすいですね。ファンの方だと楽しく読むことができますよ!

私は大学2年生のとき、教職心理学を学んでいく中で河合氏を知りました。もともと倫理が好きな高校生で、宗教とか哲学とか心に関する事に興味があったので魅かれましたね。
村上氏の本は『1Q84』が凄い話題になっていたのを覚えておりますが、読んでいません。読んだのは『ねじまき鳥クロニクル』だけです。それも中学校3年生です。学校の図書館にあり、面白そうな題名だったので手にしたのですが、当時の私にはほとんど理解できませんでした。だから逆に難解な本ということで記憶に残っておりました。

そしたら、この本の対談は『ねじまき鳥クロニクル』を書き終えた後の話のようで文中に登場してきたのです。衝撃的でした(笑) 書いていた頃の村上氏の心境がわかったので、改めて読んでみたいと思います。



この本は2部構成になっております。前半の対談の大きなテーマは“コミットメントとデタッチメント”でした。ここでの意味は特にコミットメントは「かかわり」、デタッチメントは「かかわりのなさ」ということでした。
そしてこのテーマを軸に、個人(個性)・阪神大震災・湾岸戦争・オウム真理教・結婚と話が流れていきます。

本文には、デタッチメントな若者が阪神大震災の時はコミットメントしたと出てきます。これは3・11でも同じでしたね。現代の大きな課題だと感じています。
インターネットなどの普及により、容易に繋がれるようになった一方、繋がっているという感覚が次第に変わってきたという気がします。響きは悪いですが、量が増えたことで質が下がったということなのでしょう。このテーマについては今後改めて取り上げたいともいます。

P38 日本語でものを書くというのは、結局、思考システムとしては日本語なんです。日本語自体は日本で生み出されたものだから、日本というものと分離不可能なんですね。(村上)
→民族を形作るのは言語、風土、食事ですね。

P82 なんのために結婚して夫婦になるのかといったら、苦しむために、「井戸掘り」をするためなんだ、というのがぼくの結論なのです。(河合)
→斎藤一人さんも「結婚は修行」とおっしゃっていますね(笑)



後半は、“物語”というテーマから始まって、治療・癒し という話を通り、最後に“暴力性”という所へ辿りつきます。

P131 小説の本当の意味とメリットは、むしろその対応性の遅さと、情報量の少なさと、手工業的しんどさにあると思うのです。・・・時間が経過して、そのような大量の直接的な情報が潮が引くように引いて消えていったとき、あとに何が残っているかが初めてわかるのだと思います。
→情報過多時代の弊害を上手く表現していると感じました。

P168~ わたしはそういう暴力性をもっていますよ、ということなんです。みんな持っているのですよね。・・・大きい原因のひとつは、やはり小さいときから経験がなさすぎるということではないでしょうか・・・。
→同感です。私もその一人かな(苦笑)草食系男子なんていうのも関係していると思います。「強い」と「優しい」は同じ高さにあるべきというのが持論です。優しいことの大切さはずっと説かれてきた一方、強いことの重要性はほとんど教わらなかった気がします。



<キーワード>
癒し 井戸掘り 身体性

<関連文献>
『心臓を貫かれて』(文藝春秋) 『アンダーグラウンド』(講談社) 『ねじまき鳥クロニクル』(新潮社)







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『食生活と文明―現代食とその欠陥』

No.129
著者 シーラ・クロフォード
訳者 山口 彦之 大沼 浩


2014年3月末に読みました。
この本は1976年に出版されました。著者は研究者であり、脂質の栄養・脳の発達がテーマだったようです。そのためでしょう、脂質摂取の必要性について説かれております。しかし、本文の中で登場するいくつかの民族の調査へは直接訪れたようです。基礎研究もフィールドワークもしていたのかはわかりませんが、そうだとすると凄いですね!

副題にある、「現代食とその欠陥」は現在にも通じます。
世界中を俯瞰しかつ歴史を知ると、現代食がどのような位置にあり、そしてどの方向に進んでいるのかが分かってくるのだと思います。
これまで読んだ本では登場してこなかった民族が載っていたので興味深く読むことができました。


<著者の主張>

1.現代は経済成長主義と生物学的生産性がズレテいる。

2.身体に必要な脂質(ポリ不飽和脂肪)は加工と精製で除かれてしまっている。

3.ヒトの退化は少しずつ進んでいる。



<感想&補足>

読み終えて、「新しい発見があった!!」というような心境にはなりませんでした。これまで読んできた本の知識に加わるというものでした。発見でなはく、確認が中心だったということです。

読み始めてまず気になったのは、この当時の人口が36億人だったということです。現在の約半分ですね。ウィキペディアには今世紀末に100億人を超えると書いてありました。→→“人口爆発”

1.の説明はいらないと思います。現代社会は経済成長第一で物事が決まっていきます。この当時は地球温暖化も使用済み核燃料も問題視されておりませんでした。現代は誰もが問題視しておきながら、対策は後回しですね・・・絶滅危惧種もどんどん増え、生物多様性は失われていっております。生物学的生産性が追い付いていないというより一部回復不能と言った方が適切ですね。

人口増加と食糧確保はこれまでも検討されてきました。しかし、量的な過不足のみ論じられ、質的な過不足は論じられてこなかったと著者は言います。そして、身体に必要であるが、不安定な不飽和脂肪酸(本文では脂肪となっております。脂肪酸という概念が無かったのか?)は不安定なため除かれるばかりで、強化されることはなかったといいます。

米を研ぐ理由は、糠を落とすためですよね。分搗き米で保存されないのは、糠が酸化して美味しくないからです。加工と精製ではまず、このように不安定なモノは除かれます。
また、長期保存のために除かれるものは、微生物が好むものということもできます。何故微生物が好むのか?それは生きていくのに役立つからでしょう。大事なことは微生物が生きていく上で役に立つものは、ヒトにとっても役に立つという考え方ができるかどうかということです。だから長期保存できる状態というのは微生物が食べようとしない(栄養価の低い)ものと考えることができます。

過度に精製されたものはこのようなモノだと理解しましょう。

そして、このようなものが家畜の餌になっていきます。こうしてエンプティカロリーの食べもので育てられた家畜は肥満(不健康体)になり、それをヒトが食べています。
霜降り肉、フォアグラが美味しく高価であるという社会は、不健康な社会だったといつか気づく時がくるでしょう!





<キーワード>
民族 脂肪 文明

<関連文献>
『文化人類学入門』(中央公論社) 『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(恒志会) 『食卓の向こう側〈5〉脳、そして心』(西日本新聞社)







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