養生ブログ by食医の卵

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『反科学論』

(続きです)

この本はⅠ~Ⅵ章で構成されております。
Ⅰ序章 Ⅱ~Ⅳが科学の現状分析 Ⅴ・Ⅵが未来への提言 という形になっています。


前回は2.まで触れたので今回は3.からです。

P373 人間の本来の知的探究心、人類仲間、市民・同僚への奉仕、自分自身の人間的発見・完成がたがいに矛盾なく、むしろ互いによく支持しあう状態・・・私はこれを一応「人間の解放された状態」と呼び・・・。
と書かれております。
著者は別に、“ユークロニア”という言葉を用いて説明しています。ユートピア思想のように一切の苦しみが消失した世界ではないので、解放とユートピアは異なると述べております。

個人的には、私が好きな荘子の思想、 【沢雉十歩一啄、百歩一飲、不期畜乎樊中、神雖王不善也】に近いのではないかと思いました。




ここからは、詳細(各論)に入っていきます。

P37 職業的専門家の矛盾が示されています。
たとえ研究結果・技術開発が悪影響を及ぼす可能性を示しはじめても、当人はそのまま研究開発を進めていく。なぜならそれ以外に生きる道がないから。止める=辞めるを意味するということです。

P40・P85 科学知識について
アインシュタインは天才科学者として有名ですね。しかし、今後このような人物は登場しないと言われています。それは現代の科学が細分化・高度化されたことにより、一人で大発見のようなことは不可能だからです。
著者によると、個人の能力は一定のままであるが、科学の情報量は5~15年で二倍になるそうです。細分化により、専門家は自分の領域以外には無知であります。このように、科学技術の発展により知識の総量が増えれば増えるほど、相対的に専門家の知識は縮小します。
専門家の判断を鵜呑みにする危険性はここにあります。○○専門家は××専門家ではなく、必ずしも全体を俯瞰して判断できるとは限らないのです。

“人間この未知なるもの”でも統合する力を求めていましたね!!


P90 自然科学の成功は、線形の系(原子論的、要素論、還元主義的な方法論)を扱ってきたから。しかし、公害、環境破壊、生態系、人間、社会などは非線形の系(部分的要素の和が全体と等しくない)である。
健康情報などの問題もこれに繋がりますね。

原子論的世界観では詰まってしまうということは“断片と全体”で出てきましたね!!


p180 “科学的に判断する”ことの危険性が述べられています。
①科学の得意分野は線形の系であるが、実社会は非線形の系であるため、そのとおりの結果を得られるかわからない。
②科学の結果が客観的に得られた保証は難しく、ある社会的な偏りの下に下された可能性を否定できない。
③科学的な知識のみを判断の拠り所にする態度は、科学研究層を不当に拡大するきらいがあり、また経済的優位にある団体との癒着を生む。

⇒論文の捏造、○○ムラ、など直ぐ浮かびますね…。



最後です。

P374 音楽家に、作曲家と演奏家があり・・・。今日の社会が、科学を必要としている状況は、まさにこれと似ているのではなかろうか。
科学の世界は作曲家が多く、演奏家が少ない。優れた演奏家は著しく少ない。ということですね。とても上手い例えに感じました。


一人でも多くの研究者の方が手にとって下さることを願います。



<キーワード>
科学 幸福 解放

<関連文献>
『われわれにとって革命とは何か―ある分子生物学者の回想』(朝日新聞社) 『科学者とは何か』(新潮社) 『科学の終焉』(徳間書店)





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『反科学論』

No.123
著者 柴谷篤弘


2014年1月に読みました。この本は幕内先生のブログから知りました。そしてその記事は非常にインパクトのあるものでもありました。→→【科学・医療の進歩とは何かが問われている~金メダルから原発まで~】
是非、一度目を御通し下さい。

幕内先生同様、私にとっても非常に重く、大きく影響を受けた本として名を残していくことになりそうです。


<著者の主張>

1.科学とは絶対的に善なるものではない。

2.今、「科学をなくすこと」もしくは「職業的専門家をなくすこと」が必要である。

3.“人間の解放”を目指す。



<補足・感想等>

この本は1973年に刊行され、1998年に文庫版ができました。25年の歳月を経た著者の感慨深い言葉が「文庫版あとがき」にこう書かれております。

この本は、状況を正しく読みあてながら、それを覆すだけの方策を提供できなかったために、著作としてではなく、社会的な実践としては、完全な失敗と見なすべき本なのであろう。失敗だったからこそ、いま再刊される、というのは何という逆説的ななりゆきであろうか。

そして再刊から15年が経っている現在も世の中の流れは変わっておりません。
この15年で遺伝子組み換え食品、クローン・iPS、体外受精、出生診断、卵子凍結…と科学・技術の発展により、マンガの世界だったようなものが現実になってきました。水面下にはもっと多くの芽があるでしょう。これらだけでも使い方を誤れば大きな危険性があるということは、わかると思います。

科学者は、使用の是非は自分の範疇では無いという態度をとりがちです。私自身、研究者とはそーゆー立場の人だと思っておりました。何故なら、そこには「知的好奇心追及の自由、科学の絶対的な善」という暗黙の前提があったからです。
しかし、この本は、私がいつしか信じ込んでいたこの前提は、実は誤りである。ということを教えてくれました。


何故か?

それは「学問の自由」が職業的専門家集団の出現とともに、社会・人間の価値から遊離し、没価値的・専門的営為を事故再生産させる機構となったからであるということです。(P42)

また、科学が純然たる善でないのは、
職業的専門家(研究者等)が雇用され続けるには業績が必要→成果の出る研究をする→資金が多い方がいい→資金提供側(企業・国)はその機構が望む研究に資金を配る→政治に研究が左右される→研究結果は政治的に利用→→利益を得る側と不利益被る側が“必ず”生じるからです。

これら1.の説明からわかるように、著者は、職業的専門家の出現によって歪み始めたと考えております。このため2.の後者の考えでこの本を書かれておられます。


(続く)



<キーワード>
科学 社会 専門家

<関連文献>
『生物学の革命』(みすず書房) 『正しく生きるとはどういうことか』(新潮社) 『科学の終焉』(徳間書店)





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『太ったインディアンの警告』

No.101
著者 エリコ・ロウ


2012年11月上旬に読みました。
著者は在米ジャーナリストです。この本はインディアン達が歩んだ悲劇を示してくれています。そして、それは対岸の火事ではなく、日本にも起こりうる(起こり始めている)ものですよ!というのが主旨だと思います。日本で生活しているだけではわからないけれど、そろそろ気づかなければならない大切なことを教えてくれている本だと思いました。



<感想等>

第一章にはインディアンらの食生活の変化した結果どうなったのかということが記されています。この部分は『食生活と身体の退化』と通じる部分がありました。

大切なエッセンスが書かれている部分を抜粋します。
P45~ “伝統食で暮らしていた頃は、…自然環境の特性に見合った…栄養摂取のパターンを守っていた人々も、欧米の現代食を取り入れた…糖尿病にかかりやすくなっていった。”
トウモロコシが主食で炭水化物の摂取量が多く、脂肪の摂取量が少なかった南西部のピマ民族やプエブロ・インディアンと、魚が主体の高蛋白・高脂肪食で炭水化物はほとんど摂取していなかったアラスカの先住民では
食事の栄養成分が大きく異なりますが、いずれもそれでスリムで健康な体を保ってこられたのは事実
です。”


ここから、決して健康を保つための食事は1つだけではないことがわかります。もし、1つとして表現するならば、栄養学的に「○○な食事」などと説明ができるものではなく、「その土地の風土に適した食事」ということになるかと思います。
日本人は上記のどちらのタイプで健康を養ってきたかというと、勿論【前者】です。糖質制限食論者はこの視点が欠けていると私は思います。


そして、もう1つ大切なことは、工業化された食事(この本では「白人食」という呼び方がされてます。)で健康を保つことができている民族はいないということです。

これはもう何度も出てきていますね。
P81に上手い言葉がありました。

「意図せず行われた20世紀最大規模の人体実験」

これはもはやインディアンだけの話ではないと思います。

戦後の短期間でこれほどまでに食生活が変化した日本も、もれなくこれに当てはまると思います。


P141 アメリカ人のジャンクフードがカロリー摂取に占める割合は78年には11%だったのが99年には25%に増大した。

これは平均でしょうから勿論もっと多い人もいるはずです。とすると、毎日1食はジャンクフードという人もいる可能性があります。怖ろしいです・・・。



最後に、このインディアンの悲劇を追随しているのが、「沖縄」です。かつて長寿県として名をあげたましたが、2000年の【26ショック】を経て、現在では男女ともに肥満率No1.となってしまいました。


この事実を考えても、もはやインディアンが辿った悲しき歴史は他人事ではありません。
興味を持った方はこの本を手にとって事実と向き合ってみて下さい。





<キーワード>
ジャンクフード 肥満 砂糖

<関連文献>
『ヘルシーな加工食品はかなりヤバイ』 『スーパーサイズミー』(映画) 『キング・コーン』(映画)









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『「裸のサル」の幸福論』

No.95
著者 デズモンド・モリス
訳  横田一久


2012年6月下旬に読みました。
2012年に読んだ中で最も印象に残った本でした!!

この本は、幸福そのものや幸福の種類(幸福には種類があるんです♪)について書かれています。しかし、読んでいて「就職活動」に使えるのでは!?と思いました。
というのは、幸福というものを理解すると、自分がどのような幸福を望んでいるのかを考えることができるようになります。すると、その後あらゆる選択をする際に、「どっちが自分を幸福にしてくれるか」という尺度で判断できるようになるからです。

皆様はどう思われますか??



<著者の主張>


1.幸福は長続きしない。


2.幸福の源泉には種類がある。


3.様々な源泉から幸福を得よう!!




<内容と解釈>


第1章では、ヒト(裸のサル)の進化を追いながら、幸福というものの種類を説明しております。

これまで読んできたいくつかの本もそうでしたように、私たちは自分がヒト科の動物であるということを忘れてはいけないように思います。このことが抜けてしまうといろんな所に綻びが生じる気がします。


第2章では、幸福を種類別に説明しています。
挙げられた種類は全部で17種類。食事に関する部分だけ取り上げます。

【官能の幸福】:文字通りですが、ここに飲食も含まれます。性と食事の関係を書いた本はこれまでも出てきましたね。

【痛みの幸福】:この部分は非常に勉強になりました。過度な健康志向者が例に挙がっています。“厳格さは幸福を得るためのもの”と捉えると行動が理解できるようになります。また、彼らが他人に勧める(強いる)理由を「自分たちが喜びとするようになったマゾヒスト的幸福を、他人にも感染させてやろうという意思なのです。」と説明している点にとても納得しました。

【化学的幸福】:p102 お茶・コーヒー・煙草・アルコールは「ソフトドラッグ」。砂糖・油脂もこれまでのことから含めていいでしょう。


第3章は、実生活の観点から幸福の源泉を眺めて書かれています。長続きしないのが幸福だから、いろんな源泉から幸福を得られるようにするとイイということになります。


最後の第4章は、幸福の定義集です。古今東西いろいろあって面白かったです。



さて、『幼児教育と脳』を読んだ時も感じましたが、私は結構ヒトっぽい人格の持ち主みたいです(笑)

退屈が好きでない・好奇心旺盛・チャレンジ好き・・・読みながら自分に置き換えていると思わず笑いがこみ上げてきました。
p135にある、「若い男たちはとりわけ、生き物としてリスクを選びとるようにプログラムされています。」にも同感!!また、これがバイクに魅了される理由の1つのような気がしました(笑笑)


<キーワード>
幸福  

<関連文献>
『夜中にチョコレートを食べる女性たち』 『ポテチを異常に食べる人たち』 







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『歯医者に虫歯は治せるか』

No.90
著者 志村則夫


2012年3月上旬に読みました。
私が歯科領域に興味を持ったのは、2009年夏に幕内秀夫氏の“歯科医院における「食事指導」”というセミナーに参加してからです。
このセミナーに参加した動機はただ幕内先生の講演を聞きたいという理由だけで、歯科に対する興味はゼロのまま参加しました(笑)しかし、実際2日間そこで学んだ後は、食事指導を行う場として歯科医院はとてもいいと感じましたし、何故もっと歯科と管理栄養士は密な関係にならないのだろうかと逆に考えてしまいました。
そのくらい歯科領域に魅力を見つけたのです。

それ以降、歯科についての本も読んでいきたいなぁと思っていたものの、中々御縁が無く、ようやくという感じです。




<著者の主張内容の一部>


1.歯にも自然治癒力がある。

2.甘いものを食べた30分後は歯を磨かない。

3.自然治癒力を高めるためには生きがいが必要。
 





<感想>

著者は歯科医師であり、大学教授の方です。マウスを使った実験もいろいろとしてこられたようで、基礎研究と臨床の両方をされていたようです。
この本は1992年に刊行されたものを改稿し、1997年に出版されたもので、今から15年以上も前のものということになります。この頃からもっと人全体を診る医療へと発展していくべきだと提言していた人が歯科医にもおられたのですね。
読み終えて、このような先人はどの医療分野にもいたんだなぁと心が熱くなった反面、現実の医療は中々そのような方向へ進んでいかないものだなぁと少し残念な気がしました。


さて、本の中身についてもう少し・・・・・


P27~書かれている、情緒と体液の流れは初めて知りました。
ざっくり説明すると、歯に流れている体液は、ゆとりや安心感を感じている時は内から外へ向かって流れているのに対し、不安や緊張時は外から内へ向かって流れているというのです。そして、外から内へ向かって流れているときに虫歯が発生するというのです。(スタインマンの研究)

ただし、これは動物実験レベルであり、その先はわかりません。本にはそのような快の感情を日頃多く感じている人には虫歯が少ないという臨床例にしばし出逢うと書かれておりました。
この15年で何か新たに明らかにされたのか、気になりますね!

2.の主張は、従来が【砂糖→虫歯菌の栄養→酸を出す&歯垢できる⇒早く磨く】という考え方に対し、著者は【砂糖→ミュータンス菌が分解し酸を出す→口内の殺菌&酸を他の菌が分解→消化の手助け⇒⇒30分は磨かない】というスタンスです。

なおこれとは別の考え方ではありますが、2012年2月11日の日経新聞には、酸蝕歯(さんしょくし)[歯のエナメル質がすり減った状態]防止の観点から、口内が酸性にあっている状態で歯をゴシゴシ磨くと柔らかくなったエナメル質を削り落しかねないため、食後30分は歯を磨かない方が安全。と書いてありました。 by東京医科歯科大学 北迫勇一氏


全体を観て考えることは、何事においても大切ですね!


<キーワード>
虫歯 βエンドルフィン 自然治癒力 

<関連文献>
『セルフコントロールと禅』(NHKブックス) 『足の裏は語る』(ちくま文庫)










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