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養生ブログ by食医の卵

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『食生活と文明―現代食とその欠陥』

No.129
著者 シーラ・クロフォード
訳者 山口 彦之 大沼 浩


2014年3月末に読みました。
この本は1976年に出版されました。著者は研究者であり、脂質の栄養・脳の発達がテーマだったようです。そのためでしょう、脂質摂取の必要性について説かれております。しかし、本文の中で登場するいくつかの民族の調査へは直接訪れたようです。基礎研究もフィールドワークもしていたのかはわかりませんが、そうだとすると凄いですね!

副題にある、「現代食とその欠陥」は現在にも通じます。
世界中を俯瞰しかつ歴史を知ると、現代食がどのような位置にあり、そしてどの方向に進んでいるのかが分かってくるのだと思います。
これまで読んだ本では登場してこなかった民族が載っていたので興味深く読むことができました。


<著者の主張>

1.現代は経済成長主義と生物学的生産性がズレテいる。

2.身体に必要な脂質(ポリ不飽和脂肪)は加工と精製で除かれてしまっている。

3.ヒトの退化は少しずつ進んでいる。



<感想&補足>

読み終えて、「新しい発見があった!!」というような心境にはなりませんでした。これまで読んできた本の知識に加わるというものでした。発見でなはく、確認が中心だったということです。

読み始めてまず気になったのは、この当時の人口が36億人だったということです。現在の約半分ですね。ウィキペディアには今世紀末に100億人を超えると書いてありました。→→“人口爆発”

1.の説明はいらないと思います。現代社会は経済成長第一で物事が決まっていきます。この当時は地球温暖化も使用済み核燃料も問題視されておりませんでした。現代は誰もが問題視しておきながら、対策は後回しですね・・・絶滅危惧種もどんどん増え、生物多様性は失われていっております。生物学的生産性が追い付いていないというより一部回復不能と言った方が適切ですね。

人口増加と食糧確保はこれまでも検討されてきました。しかし、量的な過不足のみ論じられ、質的な過不足は論じられてこなかったと著者は言います。そして、身体に必要であるが、不安定な不飽和脂肪酸(本文では脂肪となっております。脂肪酸という概念が無かったのか?)は不安定なため除かれるばかりで、強化されることはなかったといいます。

米を研ぐ理由は、糠を落とすためですよね。分搗き米で保存されないのは、糠が酸化して美味しくないからです。加工と精製ではまず、このように不安定なモノは除かれます。
また、長期保存のために除かれるものは、微生物が好むものということもできます。何故微生物が好むのか?それは生きていくのに役立つからでしょう。大事なことは微生物が生きていく上で役に立つものは、ヒトにとっても役に立つという考え方ができるかどうかということです。だから長期保存できる状態というのは微生物が食べようとしない(栄養価の低い)ものと考えることができます。

過度に精製されたものはこのようなモノだと理解しましょう。

そして、このようなものが家畜の餌になっていきます。こうしてエンプティカロリーの食べもので育てられた家畜は肥満(不健康体)になり、それをヒトが食べています。
霜降り肉、フォアグラが美味しく高価であるという社会は、不健康な社会だったといつか気づく時がくるでしょう!





<キーワード>
民族 脂肪 文明

<関連文献>
『文化人類学入門』(中央公論社) 『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(恒志会) 『食卓の向こう側〈5〉脳、そして心』(西日本新聞社)







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『白い夏の墓標』

No.126
著者 帚木 蓬生

2014年2月に読みました。1日で一気に読みました。
この本は小説です。ブログに小説が登場するのは本当に稀ですね。だから小説でもちょっと特徴があります。ジャンルは“医学ミステリー”といったトコです。
出版されたのは昭和58年ですので私が生まれる前です。しかし、内容は全く古さを感じさせません。

巻末解説にもこう書かれております。
「ミステリーには、そのテーマの陳腐さゆえにしだいに埋もれていく作品と、逆に、そのテーマの深切さゆえにしだいに光彩を増してゆく作品があるとすれば、本書はまちがいなく後者の典型的な例である。」
読んで頂けたらよく理解できると思います。



<あらすじと感想>

まず、上記のように書かれた理由となったテーマですが、これは【ウィルス】です。
ウィルスを操り細菌兵器の開発を研究した研究者が主人公なのです。

丁度この頃、STAP細胞がホットな話題でした。
P24にこのような大きな研究発表をした人の心境が書かれています。


細菌兵器の研究は、日本で実際にされておりました。
かつてこんな話を聞いたことがあります。「第二次世界大戦中、アメリカは日本の細菌兵器を恐れていた。日本は醗酵食品の文化があったことから、諸外国よりも微生物・細菌に長けていた。だから細菌を入れた風船がアメリカに届いてもそれを公表しなかった。日本が知るとそれによって攻撃を仕掛けてくる恐れがあったから・・・。」

衝撃的だったのでよく覚えています。


科学・研究は全面的に善なるものと考えがちですが、(最近はそうでもないか?)それは間違いです。

P46 世の中のすべての研究成果が、専門誌に論文として発表されるのだとお思いでしたら、大きな誤解だといえます。例えば重水素の核融合や、ロケット燃料、アビオニクス、高エネルギーレーザーなどに関する研究が逐一おおやけにされているでしょうか」「世界を震撼させるような仕事でありながら、研究の性質上、決して表面に出せないものだったあるのです。

科学技術が進歩すればするほどこのような情報は増えるのではないでしょうか。


主人公は自分の研究を【逆立ちした科学】と呼び、自問自答します。

P173 逆立ちした科学に奉仕する研究者のタイプは2つに分けることができる。ひとつは国家への忠誠。・・・いまひとつのタイプは、知的ロボットともいうべきものだ。・・・知的ロボットは、知的好奇心さえ満たされれば、世界がどうなってしまおうと構わない・・・。

アカデミックの研究の世界をちょっとでも見たことがあると、この知的ロボットのことがわかるかと思います。
研究者にはアスペルガーが多いなどという発言が出るのは、これと関連していますね。猛烈に没頭できるバケモノがいるんですこの世界には!!そーゆー人が優れた研究業績をあげることが多いです。


最後に、この本のエッセンスであろう文章をどうぞ♪

P176 研究者を、逆立ちした科学に向う者と、まっとうな科学を目指す者に振り分けるものは一体何なのか。実は、何もない。未知のものを究めること自体が快楽としてひとり歩きしはじめると、まっとうな科学も、いつのまにか逆立ちしてしまう。ぼくたちがやっていることは確かに、逆立ちした科学だ。だが、もっと恐ろしいのは、まっとうだと思いこみ、また人からもそう信じられ、その実、逆立ちしている科学ではないのか






<キーワード>
ウィルス 逆立ちした科学 研究

<関連文献>
『新版 悪魔の飽食―日本細菌戦部隊の恐怖の実像!』(角川書店) 『反科学論―ひとつの知識・ひとつの学問をめざして』(筑摩書房) 『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』(新潮社)





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『砂糖病(シュガー・ブルース)-甘い麻薬の正体』②

つづきです。



P85~86 5時間葡萄糖負荷試験と低血糖について書かれています。これに関する話は別の本でも紹介します。

P90 糖尿病(diabetes mellitus)は、diabetesがギリシャ語で谷多尿、ラテン語でmelは蜂蜜、itisは炎症だそうです。 もし命名者がラテン語でポリユリア・サッカリティス(polyuria saccharitis)[多尿性砂糖炎]と名付けていたなら、今とは別の世界があったかもしれません。そう命名できなかった理由はその国の王族が砂糖貿易にどっぷりと漬かっていたいたからだそうです。

p98 シャール・ハリスは糖尿病患者でもなくインシュリン投与を受けたこともない多くの人々にインシュリン・ショックの症状が認められることに気づき始めた。・・・インシュリン発見にノーベル賞が与えられたが、ハリスには与えられなかった。治療法が薬品産業に魅惑的でなかったから。

p112 1971年、エドウィン・L・バイヤーマンを中心とする科学チームは、ニューイングランドジャーナルオブメディシン誌上において、高炭水化物食物は軽症の糖尿病患者や、健康人の場合には血糖値を実際には下げる、という事実を報告した。

糖質(炭水化物)と称されるものには、多糖類と単糖・二糖系があります。「糖質」というようにまさに“質”によって作用が全く異なることがわかります。身体の神秘でもあると思いますね。


p122 マリファナは血糖値を低め、LSDはそれを高める。

P161 第二次世界大戦勃発当初、シンガポールは食糧危機に脅かされた。イギリス軍軍医であったシャーフは、精白米を軍令によって禁止した。精製すると70%に減ってしまうため。
 この措置によって、イギリスと同等だったマラリヤによる幼児の死亡数(千人に対して160人)が、一年で半分に減った。 しかし、シャーフはノーベル賞を受賞することもなく、このニュースを世界保健機構が世界へ広めることも無かった。玄米を売ったところで医者たちが儲かるはずがないから。

P166 人間は水だけを飲めば、かなりの間生きることができる。しかし、砂糖と水は人間を殺す。
   どうも砂糖と水を摂った方が早く死ぬようです。砂糖の代謝のために身体に蓄えられているビタミン・ミネラルが浪費されるため。

これは衝撃的でした!!カロリー至上主義だと、ゼロカロリー(水のみ)よりも長生きできると考えるのでしょうけど
実際は逆(;一_一) 多くの栄養関係者に教えてやりたいです。


P226 ハーバート・M・シェルトン博士「病気で脆弱化した人々からなる民族に見られるものを、なぜ正常なものとして受け入れねばならないのか? 文明人の現在の食生活は正常であるなどということを当然のこととして常に容認しなければいけないのだろうか?」
   島田彰夫先生も「健康は多数決で決まるものではない」とおっしゃっていましたね。そのとおりだと思います。

P233 潰瘍の食事療法は砂糖の除去がいい。砂糖が上方消化器官を刺激し、胃中の酸性度を高め、胃液の消化活性を高めるから。
   管理栄養士が患者に対する説明で、「刺激の強いモノ」の中に砂糖を加えることは22世紀以降かな(苦笑)



 私の世代は生まれた時から砂糖が身の回りにありますから、危険なんてことは全く思わないくらい生活に馴染んでしまっています。常識を疑うことの大切さも同時に学びました<(_ _)>



<キーワード>
砂糖 低血糖 炭水化物

<関連文献>
『心の病と低血糖―危ない!砂糖のとりすぎと米ばなれ』(第三文明社) 『無双原理・易―「マクロビオティック」の原点』(サンマーク出版) 『食生活と身体の退化』






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『砂糖病(シュガー・ブルース)-甘い麻薬の正体』

No.124
著者 ウィリアム・ダフティ
訳  田村 源二


2014年1月に読みました。この本の存在を知ったのはもう随分前になります。タイトルの仰々しさに驚いた記憶があります。
一番最初の頁にこう書かれています。

シュガー・・・砂糖黍や砂糖大根(甜菜)の絞り汁に化学的処理を施して精製される蔗糖。その過程で90%の繊維質と蛋白質のすべてが除去される。

ブルース・・・恐れ、肉体的不快、不安などの重圧による憂鬱な気分。

シュガー・ブルース・・・砂糖と一般的に呼ばれる精製された蔗糖の摂取によって引き起こされる、様々な肉体的および精神的苦痛


この本の主張は単純明快、題名のとおりです。本が発行されたのが1979年なので、現在私が問題視している異性化糖(果糖ブドウ糖液糖系)が急激に伸びてきた1980年代よりも前の話になります。しかし、砂糖に関する歴史を知っておく上でとてもよい内容です。

今回は学んだことを綴っていきます。


P22 私はあの「麻薬」と呼ばれる液体を試したことがなかった。・・・初め頭痛薬として売られていたこの液体は、(1930年代アメリカ)北部ではコカ・コーラと呼ばれていたが、南部ではまだ頭痛薬としてのイメージを完全に失ってはいなかった。
   コカ・コーラの「コカ」はコカインのコカですから、頭痛薬として称されていても当然ですね!

P28 ケシの実から阿片→モルヒネ→ヘロインが作られる。
   砂糖黍・砂糖大根から糖蜜→赤砂糖→奇妙な白い結晶。 同じ穴の狢なのだ。

P30 1923年は、禁酒法の全盛期えもあった。酒が禁止されると、砂糖消費量は急激に増大した。   
   人間の依存を考える上で大切なことですね。

P38 ラウヴォルフの言葉「暴食に慣れたトルコ人には、もはや、勇猛果敢に敵に抗して戦った昔日の面影はない」
   これは砂糖の濫用とそれがもたらす結果について科学界が発した、記録として残る最も古い警告であろう。

P49 阿片と砂糖は双方とも初め薬として使用され、最終的には常用癖をもたらす感覚的嗜好品として用いられるようになる。
   砂糖常用は薬物依存に近いと考えることができますね。

P68 シュガー・ブルースがどういうものなのかを理解していた才知ある人々は、地下に追いやられた。人間の体と脳は砂糖を処理できないという事実を告げる兆候と警告への彼らの説明も、彼らとともに地下へ追いやられた。そして、これらの兆候と警告を再び見い出すまでには三世紀が必要であった。

  砂糖病は15世紀、自然療法家が警告した時、彼女らの悪魔の呪いとされていました。18世紀は精神病(オナニア:自慰が原因とされていた)19世紀は神経症として精神分析(フロイトなどの分野)へ場所を移し、20世紀のロボトミーへと繋がっていきます。
  医学の悲しい歴史の一つだと思います。



 つづく


<キーワード>
砂糖 精神疾患 ドラッグ

<関連文献>
『純白,この恐ろしきもの―砂糖の問題点』(評論社) 『東洋医学の哲学―最高判断力の書』(日本CI協会) 『精神疾患と心理学』(みすず書房)






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『食物繊維で現代病は予防できる』

No.118
著者 デニス・バーキット(Denis Burkitt)
監訳 桐山 修八


2013年10月に読みました。この本を知ったのは“No.25”を読んだ時ですね。1983年に出版された本です。
これまでも1980年代頃の本を何冊も紹介していると思います。名著は時代を超えると共に、食に関する必要な情報はもう十分決着が着いているのではないかと感じます。適切な情報は昔から発信されているのに改善されていない。まぁ、それが人間の面白い所なのかもしれませんが・・・。


内容はこれまでの本でほとんど補えると思います。新たに勉強になった部分を中心に取り上げます。


<著者の主張>

1.未精製の穀物を沢山食べよう。

2.精製炭水化物(砂糖など)と脂肪摂取が西欧病の原因である。



<解説・補足等>

1.についてです。著者は日本人ではないため、全粒分のパンや小麦フスマを個別で挙げています。これだと日本人の食事に合わないので、我々は玄米や分搗き米・雑穀という解釈でいいと思います。

少し栄養学的な説明になります。

①炭水化物=糖質(エネルギーになる)+食物繊維(エネルギーにならない[厳密には微量はなる]) です。そして、

②食物繊維は3種に分けられるようです。
P56 セルロース・ペントース[ペクチンやガム類もこの群として扱うことがある]・リグニン(炭水化物に属さない成分)
建築に例えると、セルロースが長い鉄の棒、ペントースが枝分かれした棒、ペクチン類はセメント、リグニンは外側の覆いとなります。


著者は、穀物に含まれている食物繊維の方が、果物や野菜のものよりも有効性が高いと研究が示していると述べています。

これは、棡原の食事とも一致しますね。P47にも同様のことが書かれています。
 第三世界では毎日西欧の2.5倍、40~60gの食物繊維を食べている。また食物繊維の供給源も異なっており、西欧では主に果物や葉菜から摂っているが、第三世界は穀類と根菜類に由来する。

P65に大便の量と通過時間の図が載っています。島田先生の本にも同様のものがありましたね。
西欧では70時間で100g、アフリカの田舎では35時間で400g(1日2回なので一回分は200g程度)となっています。

P72に名言がありました!
 「固いものを食べて、柔らかいものを出す」byケネス・ヒートン博士
便の説明としては分かり易くていいと思います。(著者も食物繊維≒固いなので完全に正しくはないと言ってはいます)



2.についてです。この本では西欧病として便秘、憩室病、裂孔ヘルニア、虫垂炎、静脈瘤、痔、糖尿病、虚血性心臓病、大腸がん、胆石を挙げています。

西欧病と呼んでいるのは第三世界(途上国)には見られないからということです。“No.16”にもありましたね。

歴史を見ると、DNAよりも環境因子の方がよほど大きいと思います。




<キーワード>
未精製穀物 砂糖 脂肪

<関連文献>
『太ったインディアンの警告』(日本放送出版協会) 『今の食生活では早死にする-アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート』 『米と糖尿病』(径書房)







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