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養生ブログ by食医の卵

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『宮本常一著作集〈24〉食生活雑考』

No.133
著者 宮本常一


2014年6月に読みました。1977出版の本です。
この著者は、『塩の道』で紹介しましたね。民俗学者です。民俗学関係の本は、知らないことが沢山出てくるので面白いです。この本も同じでした。そして、感想を一言で表すならば、「知らないことが多過ぎて、一度読んだだけでは覚えきれない」でした(^^ゞ


<著者の主張>

1.江戸時代中期(享保)、米は主食糧の4割くらいしか占めていなかった。

2.日本における調理法は煮ることを中心にしたものが多かった。

3.10世紀頃には、和食の原形と調味料の基本的なものがほぼできあがっていた。


<感想・補足等>

江戸時代中期(元禄)には都市部で脚気が頻発するようになったという記録があります。都市部で起こり、地方に帰ると治ったなどという話もありました。そのためか、脚気は「大坂腫れ」「江戸患い」と呼ばれていました。
このような記録だけを見ると、国民の多くが米のみを精製して食べていたような印象を受けるのですが、実際はそうではなかったようです。都市部と過疎地(特に山奥)ではかなり食生活に差があったようで、このような状態は明治時代まで引っ張っています。

五穀米という言葉があるように、山村では雑穀を混ぜたものや、芋を混ぜたもの、大根の根や葉を混ぜたものが主食となっていました。その中でも、稗は生命を繋ぐために非常な意味をもっていたようです。そして、この稗が廃れていったのは、租税関係と土木技術の発達が関係していたとのことでした。
「米は年貢になるが稗はならない。だから稗よりも米を作りたい。」
「斜面では水田ができないが、石垣を積んで土地を平らにする技術を学んでからは米を作れるようになった。」
ということです。



家は火を中心にして発達してきたといわれます。囲炉裏(いろり)、竃(かまど)、甑(こしき)、蒸籠(せいろ)、五徳(ごとく)、鉤・鈎などは、穀物を加熱して食べることと関連してますね。また、穀物は殻を除くこともさながら粒食と粉食があります。このため欠かせないのが臼(うす)、杵(きね)でした。
栄養学では、調理器具の歴史などには関心がないので興味深いですね。
  【伝統食:鍋‐煮る】 ⇔ 【近代食:フライパン‐炒める】
と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。


調理の仕方を、生食・煮・蒸・焼の4つで考えると、「煮」は植物性食物と相性がいいようです。一方「焼」は肉食と相性がいいようです。言われてみるとなんとなくそんな気がしますね。
日本は植物性食物の多かったことから、発酵の食文化を発達させていきました。ただ、意図したのではなく食品の保存から発達したものでした。一番のきっかけは塩蔵です。
『倭名類聚抄』【源順 935年頃】に塩梅類という項があり、塩梅類は「白塩(従来の塩)、黒塩(岩塩)、酢、醬(ひしお)、煎汁(だしのようなもの)、未醬(みそ)、豉(くき)」と記されているそうです。


他にも沢山、面白いコト・為になることが書かれております。是非手にとって読んで下さい!


<キーワード>
食生活 飯 米

<関連文献>
『日本民具辞典』(ぎょうせい) 『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三』(文藝春秋) 『庶民の発見』(講談社)






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『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』

No.130
著者 村上春樹 河合隼雄


2014年4月に読みました。
この本は、著者らの対談をまとめたものです。対談は1995年11月に行われました。著者らの紹介は必要ないと思いますが、村上氏は作家、河合氏は日本の心理学の大家です。

対談形式の本は大変読みやすいですね。ファンの方だと楽しく読むことができますよ!

私は大学2年生のとき、教職心理学を学んでいく中で河合氏を知りました。もともと倫理が好きな高校生で、宗教とか哲学とか心に関する事に興味があったので魅かれましたね。
村上氏の本は『1Q84』が凄い話題になっていたのを覚えておりますが、読んでいません。読んだのは『ねじまき鳥クロニクル』だけです。それも中学校3年生です。学校の図書館にあり、面白そうな題名だったので手にしたのですが、当時の私にはほとんど理解できませんでした。だから逆に難解な本ということで記憶に残っておりました。

そしたら、この本の対談は『ねじまき鳥クロニクル』を書き終えた後の話のようで文中に登場してきたのです。衝撃的でした(笑) 書いていた頃の村上氏の心境がわかったので、改めて読んでみたいと思います。



この本は2部構成になっております。前半の対談の大きなテーマは“コミットメントとデタッチメント”でした。ここでの意味は特にコミットメントは「かかわり」、デタッチメントは「かかわりのなさ」ということでした。
そしてこのテーマを軸に、個人(個性)・阪神大震災・湾岸戦争・オウム真理教・結婚と話が流れていきます。

本文には、デタッチメントな若者が阪神大震災の時はコミットメントしたと出てきます。これは3・11でも同じでしたね。現代の大きな課題だと感じています。
インターネットなどの普及により、容易に繋がれるようになった一方、繋がっているという感覚が次第に変わってきたという気がします。響きは悪いですが、量が増えたことで質が下がったということなのでしょう。このテーマについては今後改めて取り上げたいともいます。

P38 日本語でものを書くというのは、結局、思考システムとしては日本語なんです。日本語自体は日本で生み出されたものだから、日本というものと分離不可能なんですね。(村上)
→民族を形作るのは言語、風土、食事ですね。

P82 なんのために結婚して夫婦になるのかといったら、苦しむために、「井戸掘り」をするためなんだ、というのがぼくの結論なのです。(河合)
→斎藤一人さんも「結婚は修行」とおっしゃっていますね(笑)



後半は、“物語”というテーマから始まって、治療・癒し という話を通り、最後に“暴力性”という所へ辿りつきます。

P131 小説の本当の意味とメリットは、むしろその対応性の遅さと、情報量の少なさと、手工業的しんどさにあると思うのです。・・・時間が経過して、そのような大量の直接的な情報が潮が引くように引いて消えていったとき、あとに何が残っているかが初めてわかるのだと思います。
→情報過多時代の弊害を上手く表現していると感じました。

P168~ わたしはそういう暴力性をもっていますよ、ということなんです。みんな持っているのですよね。・・・大きい原因のひとつは、やはり小さいときから経験がなさすぎるということではないでしょうか・・・。
→同感です。私もその一人かな(苦笑)草食系男子なんていうのも関係していると思います。「強い」と「優しい」は同じ高さにあるべきというのが持論です。優しいことの大切さはずっと説かれてきた一方、強いことの重要性はほとんど教わらなかった気がします。



<キーワード>
癒し 井戸掘り 身体性

<関連文献>
『心臓を貫かれて』(文藝春秋) 『アンダーグラウンド』(講談社) 『ねじまき鳥クロニクル』(新潮社)







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『無意識の不健康』

No.41
著者 島田彰夫

2009年10月頃読みました。2000年に出版された本です。ユニークな題名ですね。“はじめに”にこうあります。
 
 健康は多数決で決まるものではないが、本書では、実際には不健康であるのに、他の人と同じような状態であることで、なんとはない安心感が得られているような場合を「無意識の不健康」として取り上げている。

現在はさらに無意識の不健康が進行している気がします(;一_一)


<著者の主張>

1.眼鏡・コンタクトは松葉杖・車椅子と同じ補助具。

2.日本ほど西洋医学一辺倒の国はない。

3.ヒトであり、日本人であることを意識しよう。



<その他補足>

視力は無意識の不健康の代表として取り上げられています。
日本だと視力1.0なら正常という気がしますよね。むしろ近視が多いので「眼良いね」と言われるかもしれません。
しかし著者の考えは、これは慣習として正常扱いされるようになっただけで、本来のヒトという生物にとって正常である根拠ないということです。
セネガルでは15M先から視力検査表(ランドルト環)の2.0が読める人が多数いたという記録があるようです(P65)。


P106では生殖医療に対して皮肉を込めて憂いています。

子どもが「授かりもの」→「作るもの」→→「作ってもらうもの」になるのであれば、
ホモ・サピエンス(Homo sapiens)ではなく、ホモ・ビオテクニコ(Homo biotecnico[バイオテクノロジーの申し子])というのがふさわしい。

…21世紀半ばには「あの子は自然にできたんだって」と不思議がられる時代になるかもしれない…

22世紀だともしかしたらと思ってしまいました


P118に健康の定義についての話がありました。
WHOの定義は覚えておいてほしいので挙げます。WHOは1964年に定義を紹介しましたが、それを1998年に修正しました。下線部が修正部分です。

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity

こちらも参考にして下さい→「日本WHO協会」
ちなみに日本は棄権した八カ国の1つだそうです(苦笑)


最後にNo.18で挙げた、ご飯とみそ汁を2~3倍にして、おかずを1/3にに役立つ情報を載せます。


それは、本の中に出てくる「肥る献立」「痩せる献立」です。

肥る献立
胚芽米飯(1日分)1200g
 
味噌汁[味噌30g あさり30g 煮干粉1g]
白いんげん甘煮[白いんげん20g]
香の物

山かけ[まぐろ50g 山芋50g 卸しわさび]
ナスの土佐煮[ナス20g 花かつお1g]
香の物

里芋の甘煮[里芋100g 青海苔]
田毎豆腐あんかけ[豆腐80g 卵の黄味1ヶ20g 片栗粉3g 煮出]

タンパク質72g 脂肪20g 含水炭素(今の炭水化物)438g 熱量2220カロリー


続いて、痩せる献立
飯(1日分)900g

味噌汁[味噌30g 煮干粉1g わかめ5g]
とうがらし佃煮[とうがらし30g]
焼海苔[浅草ノリ]
香の物

冬瓜そぼろ煮[冬瓜 鶏挽肉130g 片栗粉2g]
炒り卯の花[卯の花30g 葱10g 人参10g ごま油3~5g]
香の物

笹がき牛蒡とつみい入れの清汁[牛蒡 鮭缶詰35g 白身魚15g 生姜汁 煮出汁]
玉葱と油揚げの酢味噌和え[玉葱30g 油揚げ10g 味噌10g]
香の物

タンパク質57g 脂肪13g 含水炭素[318g] 熱量1617カlロリー


いかがでしょうか?痩せる献立であっても飯が1日分として900gとなっています。
今の日本ではこれだけ食べている人は成人男子でもなかなかいないでしょう。
高校の激しい運動部くらいだと思います。
試しに2週間どうぞ♪


<キーワード>
不健康 定義 哺乳類 ヒト

<関連文献>
『つくられる生殖神話―生殖技術・家族・生命』(制作同人社) 『日本奥地紀行』(平凡社) 『ジャポン1867年』(有隣堂)





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『免疫革命』

No.6
著者 安保徹

『病気にならない生き方2』にて少し紹介しましたね。2008年4月頃初めて読んだと思います。
当時卒業論文のため免疫に関する研究をしておりましたので、白血球の分化に関する印象が強かったのですが、改めて読んでみるとそれは第5章だけでビックリしました(笑)
安保理論のベースが良く理解できる本だと思います。



<著者の主な主張>

1.白血球の自律神経支配の法則(白血球は自律神経によってコントロールされている)

2.ストレスが病気の引き金となる。

3.健康も病気も生き方にかかっている。



<感想>

著者は医師免許を持っておられますが、本業は大学の教授であり研究者です。この本にも著者の研究成果が記されております。私は著者について、生命の歴史や身体の繋がりなど、幅広い観点から病気やヒトの身体について考察し、特殊環境において行われる研究から得られた事を、実生活のレベルまで還元しておられるという点が凄いと感じております。
自分の研究領域以外はお手上げ・興味なしという研究者は沢山おられますから(残念)

安保理論(安保福田理論)は代替医療を支持する方々の中ではかなり信頼されていると思います。けれども医学の中ではまだまだ主流であるとは言えません。しかし、これに基づいた治療によって恩恵を得た患者さんが多数おられるということは事実であります。そして、病気をこのようにとらえることが広がっていくと医療の質は格段に上がっていくと私は思っております。

本文中で挙げるならば、主張の3やp276の「東洋的な思考が未来の医学をひらく」という点に強く共感します!!

本当に、『目指せ統合医学』 日本がこの先駆けになるべし!!


さて、もう少し本の内容を紹介します。

【ガンを治す四カ条】
1. 生活パターンを見直す。
2. ガンへの恐怖から逃れる。
3. 免疫を抑制する治療を受けない、しない。
4. 積極的に副交感神経を刺激する。

安保理論を受け入れると、ガンに対する治療方針が立ちます。これは医師から見放された人にとっては福音だと思います。現代医学にはない「ガンを自然退縮によって治す」という考え方は是非覚えておいて戴きたいと思います。
ここから、「転移=ガンの悪化ではない」という捉え方も派生します。

全てのガンに対する認識とはいきませんが、実際に全身へ転移した後にガン細胞がなくなり現在も生還しておられるかたは存在します。

その他にも、消炎鎮痛剤が薬漬け医療の起因となることや現代の慢性病の治療がいかに免疫力を不活化し、自然治癒力を低下させているかが記されております。

自分の身体を自分で守り、そして家族の身体をも護るために是非読んでいただきたいと思います。


余談ですが、私はこの本が面白くて免疫に興味を持ち、著者の『絵でわかる免疫』『好きになる免疫学』『好きになる分子生物学』を舐めるように読んだのを覚えております(笑)


<キーワード>
免疫 白血球 自然治癒力


<関連文献>
『死の淵からの生還』(講談社) 『笑いと治癒力』(岩波書店)







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