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『正しく知る糖質制限食』

No.131
編著 NPO法人日本ローカーボ食研究会→→“ホームページ”


2014年5月に読みました。
2014年度で一番印象に残る本になる気がしています。また、この本が普及することによって、2010年から私も注視していた糖質制限食論争が終わっていくと思います。そのくらい良い本でした。

伝えたいことが多いので2回に分けたいと思います。

なおこの本は、一般向けの本として書かれておりますが、論文の引用をはじめ、医療関係者のための学術書としても十分な内容となっております。私自身読んでとても納得できました。


まず、私が非常に大切だと感じていることを書きます。

著者らは、「死亡の危険が減るかどうか」ということを最優先の評価基準としております。
“No.59”で、 「糖尿病治療のエンドポイントは健康寿命の延長です。」という言葉を引用しましたように、糖尿病治療は血糖コントロールが全てではありません。この部分を読んだ時、これまでの糖質制限推奨論者とは違うと感じましたね。


<著者らの主張>

1.糖質制限食で体重・中性脂肪・血糖値が下がりHDL-Cが上がる。

2.糖質制限食は1CARD程度がよい。

3.過度の糖質制限食は死亡危険度等を上げる。



<補足・解説等>

1.については、従来の糖質制限食と同じなので省きます。


2.を理解するために、著者らの推奨するローカーボ食について説明します。

著者らは2通りの方法でローカーボ食[CARD(low-carbohydrate diet)]を採用しているとのことです。

①毎日の3食の食事のうちの糖質をできる限り抜く方法。 (1食制限=1CARDと表現されています)
②毎食、少しずつの炭水化物の摂取量を減らす方法。

①は「3CARD」が最も厳しく、これがこれまでの糖質制限論者の勧めていた食事に近いものとなります。
しかし著者らは3CARDではなく、1CARDを勧めており、厳しい制限は重度の糖尿病患者さんに対してのみ、それも短期間行うこととしております。さらに、症状(ヘモグロビンA1c)が改善したら制限を緩めていくという方針です。

また、糖質の替わりに脂質を摂るということをはっきり主張しております。糖質食べなきゃ他は何でもOKという訳ではありません。

いかがでしょうか?推奨する食事も方針も穏やかですよね!
ただしその理由は、患者の実施可能性などではなく、3.によるものです。

3.に関しては漸くエビデンスが揃ってきたと言えるのかもしれません。
実は治療法の後にエビデンスが揃うというのは大変稀なケースです。まぁ当然ですよね。

薬の研究でも何でもまず、細胞やマウスなど人間以外で試してみてから(基礎研究)、人間で恐る恐る試し(臨床研究)、問題なさそうならその治療法採用や薬の認可となります。それでも後になって危険性がわかったりするものもあります(薬害の歴史)。

著者らのホームページにも書いてありましたが、この食事法は基礎研究の報告が極めて少なく臨床報告がほとんどだということです。これが民間療法として広まっていったことを物語っています。
悲しい歴史の被害者が増えないでほしいと強く望みます。


(続く)


<キーワード>
糖質制限 死亡 血糖値 体重

<関連文献>
『米と糖尿病』  『本当は怖い「糖質制限」』(祥伝社) 『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』(光文社)








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