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『食養療法~食べて治す~』

No.79
著者 長岡由憲

著者は松井病院食養内科の医師です。同じ漢方領域の先生なので、大学院の教官と面識があり、私が大学院入学前に講演に来て下さったそうです。
私は教官に、長岡先生の紹介と食養内科の見学をお願いしておりまして、長い保留期間の末、無事に見学できることになりました。2010年11月末です。
このことが決まりましたので、日野先生の本だけでなく長岡先生の本も読まないと御無礼だと思い直ぐに読み始めたという流れでした。

<著者の主張>

1.日本人は食生活が変わったことにより病気の性質が変わった。

2.現代的偏食が病気のきっかけとなる。

3.日野式食養療法 実行条件20カ条のススメ。



<補足&感想等>

これまで紹介した本の知識があるとサクサク読めます。

日本人の食生活が変わったことはこれまで説明したとおりです。

P36の説明が面白いなぁと感じました。
 現代的偏食、古典的偏食というのは私がつくった言葉です。古典的偏食とは、昔の貧しい時代の偏食です。・・・そしてまた、貧しくて食べるものが少ない時に好き嫌いは起こりませんが、逆に食べるものが限られて偏った食生活になり・・・。

人類の歴史は飢餓との戦いであり、どこの民俗も程度の差はあれ「古典的偏食」でした。そして、この古典的偏食の中で生き抜くために養われたのが食文化だったと考えられます。

現代的偏食はこう書いてありました。
・牛乳を飲み過ぎる  ・肉を食べ過ぎる  ・菓子を食べ過ぎる  ・果物を食べ過ぎる  ・乳製品を食べ過ぎる  ・油の料理を食べ過ぎる  ・酒アルコールを飲み過ぎる ・緑黄色野菜が少なくなって淡色野菜が多くなった  ・主食が少なくなって副食が多くなった  ・硬いものが少なくなって軟らかいものが多くなった。


P95に厳しい御指摘がありました。
 現代栄養学では身長や体重などの体位向上や寿命といった外面的なものに重点を置き、機能や抵抗力、耐久力などの人間の内面を見過ごしているところがあるように思います。

先日の学会で、学校給食は戦前は貧困対策、戦後は体位向上、現在は食育が主眼とされているというお話がありました。しかし、体位向上の裏でこのようなことが見落とされていたという指摘は中々出て来ないんですよね・・・。


最後に具体的実行条件をいくつか挙げて締めたいと思います。

4.精白穀物・精白糖等、精製度の高い食品はなるべく用いない。止むを得ず用いる時には、その多食を避け、かつ、せめて強化米~強化精麦を混入するとか、糠や小麦胚芽等を何等かの形で摂るようにし、又カルシウム補給にも努める。

7.海藻を常食する。

11.原則的には野菜(草)の皮を剥かず、根も葉も棄てず、魚の皮も骨も内臓も出来るだけ食べる。但し、汚染の恐れのある時は別。

13.何時如何なる場合でも、誰でもがどんな食物でも生食とか2分間煮とか、長時間の加熱食とかにするのがよいというように囚われるべきではない。一般に果物食の可否についても同様に囚われるべきではなさそうである。


【囚われないこと】という当たり前の真実を是非忘れないで下さい。


<キーワード>
食養 偏食 生態学的栄養学

<関連文献>
『化学的食養長寿論』  『油 このおいしくて不安なもの―くずれたリノール酸神話 油とつきあう健康法』(農山漁村文化協会) 『慢性病の食養法』(緑書房)







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  • 2015/07/01(水) 10:33:28 |
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