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養生ブログ by食医の卵

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『グルメの話 おいしさの科学』

No.94
著者 伏木 亨


2012年5月下旬に読みました。これまで栄養関連の本の中でおいしさ・嗜好に関する本は読んで来ませんでしたので新鮮に感じる部分が多くありました。

著者は農学部の教授、研究者です。医療関係者ではありません。しかし、人間の食事について広い視点で考えられておられる方です。健康オタク医師の書いた健康本とは違って中味が詰まっていますね。読み終えた後、沢山メモをしてしまいました。


<私が学んだ内容の一部>



1.匂いの記憶は鮮明である。


2.油のおいしさは快楽!


3.幼児には和食を!!




<詳細>

1.については私自身これまで一番配慮が届いていない点でありました(-_-;)反省
嗜好が形成されるメカニズムとして、味覚による記憶・学習が中心だと思っておりました。しかしこの本を読んで、【匂い】による記憶・学習について学びました。

人間は生理学的には、甘味・苦味・酸味・塩味・うま味という5つが基本味になります。これはそれぞれの味を感じる受容体が舌にあるからです。ちなみに辛味は痛覚です。甘味はエネルギーになる食べ物が多いので本能的に好まれ、反対に苦味は毒物の場合が多いので本能的に嫌われます。
これらの本能的なものに嗜好の大部分は左右されると思っておりましたが、もっと複雑でした…

匂いは記憶回路に直接信号が送られ、一方味はいくつかの情報処理を経て記憶回路へ届くようで、このため匂いの記憶は鮮明に残っていくとのことです。

そして記憶はこれらが絡み合って形成されます。

まず、本能的に好きな味で食べ物を覚える→「○○は美味しい」→食べ続けているうちにその食べ物の匂いを覚える「○○の匂いは●●だ」→そして記憶として定着する→「●●の匂いがするものは(○○だから)美味しい」

味覚と嗅覚の連合学習です。

匂いによる記憶の強化と言えると思います。

自分の好きな食べ物、当てはまるのではないでしょうか??


さらに他の情報が加わると、記憶はもっと強く鮮明に残ることとなります。


多くの人が共感できる例は「カレー」でしょう。
“初めてのキャンプでの思い出。お腹をすかしながら皆と一緒に作って食べたカレーは最高の味でした♪” などなど。


さて、ここから2.3.へと発展します。

食嗜好は遅くとも10歳頃までに全体が決定されてます。だからそれまでの食生活がその後に大きく影響します。
生活習慣病から遠ざかるためには、高脂肪食は避けたい。しかし脂肪は快楽だから一度覚えてしまうと魅了されてしまう!!
実際、アメリカは総エネルギーの40%以上が脂質によります。一方、日本は25~30%。まだ安全圏です。
しかし、これが30%を超えたとき、日本人の食生活は取り返しがつかなくなっているのではと危惧しています。

だから、幼児には和食を食べさせ、脂質の少ない食事で満足できる嗜好を形成させることが重要!!!!


他にも塩の話・油の話など面白いコトが沢山書かれています。

是非皆さんも一度読んで下さい(*^_^*)


(独り言…P226「総合的な関係を無視して単純な図式しか興味のない人は栄養学者としては害が多い」という言葉は重かった。本当にそう思う。自分はそうはなりたくない。もっといろいろ勉強しなきゃなぁ......)


<キーワード>
おいしさ 快楽 味覚



<関連文献>
『だれが中国を養うのか?―迫りくる食糧危機の時代』(ダイヤモンド社)『味と香りの話』(岩波新書)『ワイン生活―楽しく飲むための200のヒント 』(新潮文庫)










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