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『人間この未知なるもの』

No.97
著者 アレキシス・カレル
訳者 渡部昇一

2012年9月末に読みました。
著者は研究者です。大変著名な方(私は知りませんでした(>_<))で1912年にノーベル生理学・医学賞を受賞しております。約100年程前ですね。そのカレル氏が晩年に記した本がこちらです。

この本は1938年にも原著を訳した本が出版されていたようです。そしてその訳者が桜沢如一氏だということにもビックリしました。古い本ではあるのですが、これまた驚くことに内容は全く古びていないのです!!“訳者のことば”にも「本書は古くなるにつれてますます時宜を得たものになるという逆説的・運命を持っている」と書かれており、まさにその通りだと感じました。

私向きな大変面白い本でした♪


<著者の主張>

1.「人間の科学」は難しい。

2.統合する力を持った人材が必要。

3.人間が生来備えている価値観にそった生き方をしよう。




<感想等>

本の内容は全部で8章に分かれて構成されています。

主張1.は第一章から取り上げました。

P39-43 「人間の科学」が遅れた理由が書いてあります。
 「…人間に関する知識がずっと遅れているのは、祖先に暇がなかったのと、人間が複雑でありすぎるのと、われわれの心がそれに向くようにできていないせいなのである。…」 

妙に納得してしまいました。
現代はこの時代に比べて物理学も化学も他の諸科学全て相当進歩しています。
遺伝子組み換え・IPS・宇宙船ステーションきぼう・惑星探査機はやぶさ・原発・インターネットetc・・・一つも知らない人はいないでしょう。

人間に関して言うなら、分子生物学の発展によりますます細かい部分の研究ができるようになりました。ではそれが本当の意味で役立っているか(幸福をもたらしたか)というと少々疑問を感じるのは私だけでは無いと思います。そこで主張2.へと続きます。


主張2.は第二章からです。
P76~ 「人間の科学」には全ての科学を動員する必要があります。しかし、ある分野の1つの問題を研究するだけでも相当な知識と技術が必要とされます。従って専門家は自分の分野にはとても精通しているのですが、他の分野に対しては素人と同じレベルです。

高校の体育の先生に物理を聞きますか?数学の先生に世界史を習いますか?普通はしませんよね。
学会でも自分の分科の事しか解らないということはよくあります。癌の専門ですと言っても癌腫も肉腫も精通している人あまりいません。同じように医師でも専門医制度が広がってから、自分の専門外には疎いということがあります。高度化すれば仕方ない面も当然あります。

医療でも家庭医・総合医が見直されておりますが、このように幅広い知識を有している人材が今の社会には求められていると感じます。この必要性はカレル氏の生きた時代よりも現代の方が遥かに高いでしょう。現代の諸問題はいろいろなことが絡み合って複雑化していますから。
まさに逆説的・運命(paradoxical destiny)です。


3.は手短に。。
この本が書かれた頃が大恐慌後に書かれているという影響もありますが、“人間は金以外のことには、ほとんど何事にも無関心になってしまっている。”という指摘は現代にも通じる気がします。

自分を含めもっと精神的なものに重きを置き、世に蔓延る物質至上主義に捕らわれずに生きていける世の中にしたいと思います。


<キーワード>
科学 人間 環境と遺伝

<関連文献>
『風土』 『食生活と身体の退化』









役に立ちましたらお願いします。


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