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『肉食の思想 -ヨーロッパ精神の再発見- 』

No.98
著者 鯖田豊之


2012年10月上旬に読みました。読んだ2年前に著者の『肉食文化と米食文化』という本を【読みたい本リスト】に入れ、(そのままです(-_-;))今回こちらの本で著者と再開しました。


~はしがき~にこう書いてあります。
 ヨーロッパ史やアメリカ史を日本人の立場で書いたものが、ほとんどない。そこで食生活の違いが「日本の尺度」になると考え、ここから思想的根底をさぐることにした。

この着眼点が凄いと思いました!もし別のことを「日本の尺度」としたらここまでの説明にはならなかったと思います。さて、勘の鋭い方は2つのことに気付いたでしょう。

①日本人との食生活の違いは“肉食をするか否か”ということ。
②食生活が思想的根底まで影響するということ。



では、いつも通りいきますね♪



<著者の主張>

1.高い肉食率が人間中心主義を形成した。

2.さらに動物と人間や社会を横割りする断絶論理を形成した。

3.そしてこれらの思想は肉食を補完する穀物摂取が拍車をかけた。




<感想・解説>

まずはヨーロッパ人の肉食についてです。結構笑わせて頂きました。

私たちは秋刀魚が一匹丸ごと焼かれたのを見ても別に驚きませんよね。
ヨーロッパの家庭料理ではこれが肉バージョンとなって同じように、食卓へ並ぶそうです。鶏の頭や兎の丸煮などなど。

私たちがこれを見て驚く理由の1つとして「残酷だなぁ」という想いがあると思います。
一方で動物愛護運動に日本よりも熱心ですよね。

欧米諸国の動物愛護運動は、動物を殺すこと自体はけっして残酷ではない。残酷は不必要な苦痛をあたえることである。(p76)

日本人との思想の違いが顕著な例だと思います。


農業についても1つ!
 日本農民の重労働を見て、欧米諸国の農学者はよく、日本の水田耕作は農業(agriculture)ではなくて園芸(gardening)であるとしてきした。かれらの観念によれば、犁耕(りこう)・施肥(せひ)によって耕地をととのえてから種子をまき、あとは収穫までほっておくのが農業である。 播種(はしゅ)と収穫のあいだにやたらと手間がかかるのは園芸だけである。(p57)


話を戻して、肉食と動物愛護が同居するのは根本に人間と家畜の距離が近いからであります。
そうすると、哺乳類である家畜と人間の似ている部分をどう捉えるかということが問題となってきます。

殺して食べちゃうんですからもしあいまいにしていたら大変な事件が起こっただろうと思います。


そこで、
 予想される解答は1つしかない。人間と動物のあいだにはっきりと一線を劃し(かくし)、人間をあらゆるものの上位におくことである。(p79)

となり、さらにヨーロッパ人と非ヨーロッパ人との区別や厳しい階級制度へと波及していったということです。



食生活の違いがここまで異なる価値観を生み出すのですから、個人の思考や精神に影響を及ぼすと考えるのはむしろ当然で、身体の発達にしか影響しないと考える方がよっぽど不自然だと思いました。


<キーワード>
三圃式農業 キリスト教 断絶論理

<関連文献>
『剣と十字架』(文藝春秋新社) 『菊と刀』(現代教養文庫) 『東洋の米・西洋の小麦』(東洋経済) 『風土』(岩波新書)









役に立ちましたらお願いします。


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