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No.99
著者 名取春彦・上杉正幸
2012年11月中旬に読みました。
私は小学生の頃から野球をやっており(そこで栄養士という仕事を知りました)また親の影響もあり、身体に悪いことはやらない子でした。
そのため煙草は友人が吸い始めても興味を抱いたことはありませんでした。つまり煙草に関心がなかったんです。だから【タバコは身体に悪い】という事に関して疑うこともありませんでした。牛乳とは大違いですね(苦笑)
今回読んでみて、「常識を疑ってみることは大切だ」と改めて感じました。
そしてタバコ君にちょっと興味を持ちました♪
<著者の主張>1.タバコ有害論は結論が先にあった。
2.異常を受け入れた健康を手にしよう。<感想等>この本は1章を名取氏、2章を上杉氏が記した形になっております。このため、各人から1つずつ取上げることとし、今回は2つにしました。
タバコと肺がんの関係については『健康帝国ナチス』の所で書きましたように1940年頃に指摘され、リチャード・ドール氏の研究によって世に広がっていきました。
私は海外のデータを基に禁煙が勧められていると思っていましたが、国内での研究もあったようです。それが本書に出てくる平山氏のものです。
ただ平山氏の論文は結論ありきだったというのが著者の指摘です。
また、受動喫煙の論文はこの平山氏が世界に先駆けて発表したようです。
そのためか質があまりよろしくない・・・?
受動喫煙の情報で役に立ちそうなものを見つけましたので載せておきます。→→
「受動喫煙に関する基礎的研究」余談ですが、養老孟司氏は「『肺がんの原因がたばこである』と医学的に証明出来たらノーベル賞もの」とおっしゃったことがあるようですね…
私は「タバコは肺がんの原因である」ということは常識のように世間に流布されていると思っていました。
しかし、
このレベルの事に関しても賛否両論あるということに驚きました!!ただ、タバコが身体に良くないことは間違いないでしょう。肺がんとの関係を譲っても、COPDや他の呼吸器疾患や他の病気がまだ沢山あります。
2章は共感する部分が多かったです。
ワイル氏の本で取り上げましたが、現代医療は【健康】を「病気でない状態」のように否定形でしか示すことができません。
・P178にある、医師の健康診断証明の記載の変化は勉強になりました。「健康である」から「異常なし」や「健康診断を受けました」に変わったということです。
・人間ドックで異常なしと診断される人数が年々下がっているという指摘も理解できます。
西洋医学は診断するのが得意ですし、医療技術が発展していけばより初期の段階で異常を見つけることができるようになるでしょう。
・P138 図 「今日も元気だ、たばこがうまい!」というポスターが載ってます。そんな時代もあったのだということに驚きました。
最後に、
ナチスの本に続き、【健康ファシズム】ということについて考えさせられました。
どこまで国が個人に関与していくのか?幸福・快楽・生きがいと健康のバランスって本当に難しいと思います。
<キーワード>タバコ 禁煙 健康
<関連文献>『たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか―癌と心臓病の有効な予防法を探る』(星野書店) 『「健康」という病』(集英社) 『健康という幻想』(紀伊国屋書店)
役に立ちましたらお願いします。
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